療養泉とは

温泉は体に良いとされていますが、温泉には療養泉と分類される温泉があります。

鉱泉分析法指針の定義にとると、鉱泉に該当するもので、特に医療的な効果を期待できる温泉、治療目的に利用される温泉を療養泉と呼び、ここでは含まれる温泉成分についても特別に規定しているのです。

療養泉の定義なのですが、泉温が摂氏25度以上、もしくは次に上げる8種類の成分が規定量以上含まれていることが必要となります。
その成分ですが
「溶存物質の総量(ガス性のものは除く)、銅イオン、遊離二酸化炭素、総鉄イオン、アルミニウムイオン、水素イオン、総硫黄、ラアドン」です。

鉱泉で最も重要とされる特徴といえば、人の体に作用し病気の治癒効果を持つことでした。
昭和23年の温泉法により、療養泉の規定成分を含まない温泉の存在も認められました。
これは温泉成分を含んでいる水なので、常水とは違うのですが、医療的な効果がまだ分からないとなっている温泉のことです。
療養泉としての資格は与えられないことになっているので、泉質の表示も出来ないことになています。

そして先ほどあげた成分が入っている療養泉として認められると、都道府県知事の判断を得てになりますが、適応症の掲示が許されるのです。ですので療養泉ではないところには、適応症の表示はないということになりますね。

鉱泉って?

温泉の定義とは温かい湧水で、鉱泉は冷たいけれど鉱物を大量に含む湧水と思っている方が多いと思われますが、環境庁定めている「鉱泉分析法指針」というものがあるのですが、ここで鉱泉の定義を定めています。
その鉱泉の定義ですが、地中から湧出する泉水であることと、次の条件に当てはまるものを鉱泉としています。

・多量の固形物質やガス状物質、または特殊の物質を含むもの。
・泉温が泉源の周囲の平均気温より、常に著しく高温であるもの。となっています。
また鉱泉の中でも治療を目的としてたものを療養泉とするとなっています。

この鉱泉分析法指針なのすが、昭和26年に定められている衛生検査指針温泉分析法に依っているのです。
温泉法の中での温泉の定義では、水蒸気とその他のガスも含まれるとなるのですが、この鉱泉分析法指針では、鉱泉には水蒸気その他のガスは含まれていないのです。

このため温泉と鉱泉の区別がわかりにくくなっているのではないでしょうか。
それまでは鉱泉と温泉、そして冷泉と分けていて、区別も分かりやすいものでしたが、冷泉という言葉はあまり普及されませんでした。そのためか冷泉は鉱泉と呼ばれるようになったのです。

そして少しややこしくなるのですが、鉱泉の定義としてガスは入っていないけれど、温泉成分に含まれるガスを地下水に混入させたものは造成温泉といいます。たとえば温泉地として有名な箱根の大涌谷温泉、大分の別府温泉は、この造成温泉が大半となっているのを知っていましたか?

温泉の定義

温泉法で温泉はどのように定義されているのかみてみましょう。

温泉法には「地中から湧出する温水、鉱水、水蒸気やガス」であると定義しています。ガスというのは炭化水素が主成分となる天然ガスは除かれています。
そして温泉は次の条件に当てはまるものとして定義されています。
温泉が採取される際に、摂氏25度以上の温度であるとこ。
そして19種類の物質が1つ以上1kgの規定量以上に含まれていることとなっています。
その19種類の物質
溶存物質、遊離炭酸、リチウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、フェロまたはフェリイオン、第一マンガンイオン、水素イオン、臭素イオン、よう素イオン、フッ素イオン、ヒ酸水素イオン、メタ亜ヒ酸、総硫黄、メタほう酸、メタけい酸、重炭酸ソーダ、ラドン、ラジウムです。
物質によって規定量は違いますが、この物質が入っていれば温泉となるのです。

温泉は地中から湧出する際の温度が25度以上のお湯であれば、温泉となります。
または冷たい水でも、上記の成分が一つでも入っていれば温泉となります。

温泉はこのように定義付けられているのですが、水温が25度以上あれば温泉となるのであれば、一般に大きな浴槽のある入浴施設であれば温泉とも言えるのではないでしょうかね。
温泉というのは暖かく、効能成分が多くはいっているイメージがありますが、実際はそうでなくても温泉となるのはなんだか不思議な感じがしますね。

温泉の法律

温泉法について紹介します。

温泉法というのは、昭和23年に公布、平成10年に最終改正された法律です。
この法律の目的が第1章にかいてあるのですが、簡単にいうと「温泉の保護」「温泉を採取する際に可燃性天然ガスでの火災防止」「温泉利用の適正化」を目的としてつくられました。
温泉を公共福祉として役立つようにと、温泉法は作られたのです。

2章から4章にかけて温泉にはそれぞれの目的にあった、いろいろな規定を作り、それに対する都道府県知事などの許可が必要といったことが書いてあります。
分かりやすく紹介すると第2章は温泉の保護について書いてあります。
温泉を掘る目的で土地を採掘するためには許可が必要だということ。
第3章では温泉の採掘などで伴う災害の防止について。
温泉源から温泉を採取するためには許可が必要といこと。
第4章では温泉の利用に関してです。
温泉を利用するには許可が必要ということ。
温泉成分などの表示。
温泉成分を分析した人の登録。
温泉へ立ち入り検査や改善指導について。

こういった許可だけでなく、採掘の停止を命令すること、許可の取り消しを行うこともできるようになっています。

温泉利用者が一番知っておきたいことは、第4章で書いてある温泉の利用についての項目だと思います。
実際平成19年に行われた法改正ときも、私たちにとっては印象深いものではなかったでしょうか。
一時期温泉成分の偽装問題について大きくニュースで取り上げられましたよね。
これを受けて温泉成分の分析は定期的に行わなければならないという義務付けがなされるようになりました。